| 制作年・国 | 上映時間 | 鑑賞日 | 鑑賞映画館 | 配給: 東宝 |
| 2007年・日本 | 143分 | 2007年1月30日(火) | ワーナー・マイカル 大野城 | 2007年1月20日封切 |
| 題名 | それでもボクはやってない | |||
| 音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
| ☆? | ☆? | ☆? | ☆? | ☆☆☆☆ 80点 |
| 星(☆ ★)の説明 | ☆=20点 ★=5点 ☆☆☆☆☆で100点満点 | |||
| コメント | ある青年が身に覚えのない痴漢容疑で逮捕され、その後1年にわたる裁判を経験する姿を通して、刑事裁判の実情を克明に描き出していく過程が実に素晴らしい。アクション、ファンタジー、恋などのエンターテインメントの要素のかけらもないドキュメンタリーのようなストーリーを綿密なシナリオで140分をあきることなく展開させている。久々に邦画の傑作の出現に、うれしくなってしまった。達者な役者揃いだが、被告役の加瀬亮が特に良い。最初は主人公にもう少ししっかりせんかと思う自分だったが、犯罪に遠い人ほどこんなものだろう。もし自分の身に降りかかったらと思いめぐらす前に警察の扱いに怒りを覚えるほど。個人的に1度だけ刑事裁判の傍聴をしたことがあるが、裁判の状況はテレビドラマで仮想裁判を知っているのみ。スクリーンの中で丁寧に我々に見せてくれている。テレビ報道も禁止されてほとんどの日本人が知らない閉鎖された裁判の状況(もうすぐ始まる裁判員制度は大丈夫だろうか?)を体験することになる。おそらく極めて正確に表現されていると僕は信じてやまない。警察官、検察官、裁判官が一方的に悪者扱いされていると言う反論もあるだろうが、これほどまでに極端ではないにしろ最初から犯人と決めつけていることが冤罪事件につながるのではないだろうか。 満員電車に乗りたくないが、どうしても乗らなきゃいけない時は、両手は万歳することにしよう。こんな裁判にはとても耐えきれません! | |||
| 監督 | 周防正行 | |||
| 製作 |
亀山千広 プロデューサー:関口大輔、佐々木芳野、堀川慎太郎 エグゼクティブプロデューサー:桝井省志 | |||
| 企画 | 清水賢治、島谷能成、小形雄二 | |||
| 脚本 | 周防正行 | |||
| 撮影 | 栢野直樹 | |||
| 美術 | 部谷京子 | |||
| 編集 | 菊池純一 | |||
| 音楽 | 周防義和 | |||
| 照明 | 長田達也 | |||
| 整音 | 米山靖、郡弘道 | |||
| 装飾 | 鈴村高正 | |||
| 録音 | 阿部茂 | |||
| 助監督 | 片島章三 | |||
| 出演 | 加瀬亮:被告人・金子徹平 瀬戸朝香:新人弁護士・須藤莉子 山本耕史:徹平の親友・斉藤達雄 もたいまさこ:徹平の母・金子豊子 役所広司:主任弁護士・荒川正義 田中哲司:当番弁護士・浜田明 光石研:別の痴漢冤罪事件の被告・佐田満 尾美としのり:検事・新崎孝三 大森南朋:刑事・山田好二 鈴木蘭々:徹平の元彼女・土井陽子 唯野未歩子:事件車両の乗客・市村美津子 柳生みゆ:痴漢被害者・古川俊子 野間口徹:徹平の先輩・小倉繁 山本浩司:傍聴人・北尾哲 正名僕蔵:判事・大森光明 益岡徹:民事専門の弁護士・田村精一郎 北見敏之:副検事・宮本孝 田山涼成:刑事・和田精二 石井洋祐:駅員・平山敬三 大和田伸也:判事・広安敏夫 田口浩正:事件車両の乗客・月田一郎 徳井優:警察署の留置係・西村青児 清水美砂:佐田満の妻・佐田清子 本田博太郎:留置同房の詐欺師・三井秀男 竹中直人:マンション管理人・青木富夫 小日向文世:判事・室山省吾 高橋長英:傍聴人・板谷得治 | |||
| ストーリー | その日、フリーターの金子徹平(加瀬亮)は朝の通勤ラッシュで混雑する電車に乗った。それは先輩に紹介してもらった会社の面接に向かうためだった。乗換えの駅(岸川駅)で降りるとホームで女子中学生から声をかけられた。 「いま痴漢したでしょ」 「えっ?痴漢?」 ホームの駅員も騒ぎに気づいてやってきた。話せばわかってもらえる、そう思って、駅員に促されるまま駅事務室へと向かった。しかし駅事務室ではなにも聞かれないままに警察官に引き渡されてしまう。会社の面接があるんです、そう警察官に言った。「話は署で聞くから、すぐ終わるから」言われるままにパトカーに乗り込んだ・・・。しかし、それは長く困難な運命の始まりだった。 警察署では頭ごなしに刑事に怒鳴られた。「ボクは何もやってないんだ」そんな訴えには耳も貸してもらえない。事情を聴いてもらえないなら話しても仕方がない、帰ろうとしたその時、刑事に手錠をはめられた。 「おまえは逮捕されてるんだ、私人による現行犯逮捕だ!おまえは被害者に現行犯逮捕されたんだよ」 留置房の中で同房の詐欺師に教えられて「当番弁護士」を呼んだ。一回目はタダで相談に乗ってもらえる制度があるという。当番弁護士はすぐに来て話を聞いてくれた。しかし、そこでの話もまた過酷だった。 「否認してれば留置場暮らしだ。訴えられて裁判にでもなればヘタをすれば三ヶ月くらい出てこられない。そのうえ裁判に勝てる保証は何もない。有罪率は99.9%だ。千件に一件しか無罪はない」 「・・・やってないんだ」 一方、徹平の母・豊子(もたいまさこ)、大学時代からの友人・斉藤達雄(山本耕史)らも、事件のことを聞いて弁護士を探し歩いていた。つてをたどってようやく引き受けてくれたのは、元裁判官の弁護士・荒川正義(役所広司)と新人女性弁護士・須藤莉子(瀬戸朝香)だった。 警察署、そして検察庁での取調べ、どこへ行っても徹平は自分の主張をまともに聞いてもらえなかった。確かな証拠もないのに検察が起訴できるはずがない、そんな弁護士の言葉を信じて否認し続けた。 しかし検察が起訴し、法廷で争うことに。 荒川、須藤に案内されて、豊子と達雄は初めて法廷に足を踏み入れた。 徹平が手錠をかけられたまま法廷へ入ってくる。 張りつめた法廷の空気に裁判官の声が響く。 「被告人は前へ」 ついに運命の法廷が始まった・・・。 | |||